コンパクトサイズのドラム式洗濯乾燥機であるパナソニックNA-VG770とシャープES-S7Gの違いを解説します。
この2機種は1~2人世帯のかたでドラム式洗濯乾燥機を選ぶひとは選択肢にしたいコンパクトなドラム式洗濯乾燥機です。
本体サイズは幅60cm、奥行60cmであるので全自動洗濯機感覚で製品を設置できます。
ドラム式なので乾燥運転もばっちりです。
はじめのてドラム式洗濯乾燥機としてもよいです。
そんなコンパクトドラムである2強のNA-VG770とES-S7Gを徹底比較します。
※2023年2月にES-S7Gの後継機種であるES-S7Hが発売されました。
基本スペックに違いはありません。詳細はこちらをご参照ください↓
【最重要】大きさはどちらも変わらず。幅・奥行60cm!
コンパクトドラムであるNA-VG770とES-S7Gを購入する上で最も重要になる要素は大きさです。
洗濯機の置き場が確保できなければ購入する以前の問題ですからね・・・。
まずは、給水・排水ホースを含まないサイズ比較です。
ものすごくコンパクト!
ちなみにフラグシップモデルのパナソニックNA-LX129Bは
604mmx722mmx1011mm(幅x奥行x高さ)になります。
次に、給水・排水ホースを含んだサイズ比較です。
給水・排水ホースまで含めると縦・横にでっぱりができるのでサイズが大きくなります。
このサイズまで確保できれば、確実に置けるという指標になります。
比較の結果、NA-VG770とES-S7Gのサイズは同等です。
コンパクトドラムのカテゴリーのNA-VG770とES-S7Gに、サイズの優劣はないです。
なお、真下排水もNA-VG770、ES-S7Gどちらも対応しています。
NA-VG770とES-S7Gスペックを比較
基本スペック
型名 メーカー | NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|---|
扉開放向き | 左右開き | 左右開き |
洗濯容量 | 7kg | 7kg |
乾燥容量 | 3.5kg | 3.5kg |
幅 | 639 | 640 |
奥行 | 600 | 600 |
高さ | 1050 | 1039 |
標準使用水量 (洗濯) | 69L | 57L |
標準使用水量 (洗濯~乾燥) | 59L | 80L |
消費電力 (洗濯) | 260W | 190W |
消費電力 (洗濯~乾燥) | 1000W | 850W |
消費電力量 (洗濯) | 65Wh | 60Wh |
消費電力量 (洗濯-乾燥) | 1750Wh | 1600Wh |
運転音 | 洗い:32dB 脱水:42dB 乾燥:46dB | 洗い:24dB 脱水:39dB 乾燥:36dB |
モーター | ブラシレスDCモータ(Vベルト) | DDモーター |
質量 | 70kg | 約76kg |
乾燥機能 | 低温風パワフル乾燥 (ヒーター排気式) | ヒーターセンサー乾燥 (水冷除湿) |
運転時間(洗濯) | 30分 | 44分 |
運転時間(洗濯~乾燥) | 200分 | 170分 |
温水ヒーター | あり | なし |
ふろ水ポンプ | なし | なし |
比較ポイントは「モーター」「乾燥機能」「温水ヒーター」でしょうか。
この機能差によって性能や搭載コースに特徴が出ています。
搭載コース
洗濯
NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|
おまかせ | 標準 |
温水:約40 ℃おまかせ | おうち流 |
わたし流 | おしゃれ着 |
パワフル滝 | 時短 |
温水:約40 ℃においスッキリ | 毛布 |
温水:約40 ℃つけおき(普段着) | |
温水:約40 ℃つけおき(おしゃれ着) | |
温水:約40 ℃おしゃれ着 | |
温水:約30 ℃おしゃれ着 | |
温水:約60 ℃おまかせ | |
おうちクリーニング | |
毛布 | |
温水:約40 ℃毛布 |
洗濯~乾燥
NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|
おまかせ | 標準 |
温水:約40 ℃おまかせ | おうち流 |
わたし流 | 部屋干し |
パワフル滝 | 毛布 |
温水:約40 ℃においスッキリ | |
温水:約40 ℃つけおき(普段着) | |
温水:約60 ℃おまかせ | |
毛布 | |
温水:約40 ℃毛布 |
パナソニックNA-VG770は温水ヒーター搭載なので温水設定によってコースバリエーションが増えていますね!
乾燥
NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|
おまかせ | 標準 |
わたし流 | おしゃれ着 |
毛布 | 毛布 |
お手入れ
NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|
温水:約30 ℃槽洗浄 | プラズマクラスター槽クリーンコース |
槽洗浄 | プラズマクラスター槽洗浄 |
槽乾燥 | プラズマクラスター除菌・消臭コース |
サッと槽すすぎ |
シャープはプラズマクラスターによって清潔機能に特徴がありますね!
DDモーターなので静音性はシャープES-S7G
型名 メーカー | NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|---|
運転音 | 洗い:32dB 脱水:42dB 乾燥:46dB | 洗い:24dB 脱水:39dB 乾燥:36dB |
モーター | ブラシレスDCモータ(Vベルト) | DDモーター |
静音性能に大きな違いがあります。
NA-VG770はブラシレスDCモーターでベルト式です。それに対してES-S7GはDDモーターです。
DDモーターだと脱水槽とモーターが直結しているのでダイレクトにモーター回転がされます。
それに対してブラシレスDCモーターだと脱水槽はベルトを介して回すので、どうしても音が大きくなります。
その結果、静音性能値に差が出ています。
洗いに関してはNA-VG770は32dBに対して、ES-S7Gは24dBです。その差は8dB!
乾燥に関してはNA-VG770は46dBに対して、ES-S7Gは36dBです。その差は10dB!
かなり体感差が出ます。
音に関しては買って、動かした後にしかわからないのがネックです。
しっかり予習しておきましょう!
乾燥方式がヒーター排気式か水冷除湿式かで異なる
型名 メーカー | NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|---|
乾燥機能 | 低温風パワフル乾燥 (排気式) | ヒーターセンサー乾燥 (水冷除湿) |
NA-VG770はヒーター排気式、ES-S7Gは水冷除湿式です。
で、結局なにが違うの?ということで説明します。
以下の図はパナソニック公式Webからの引用です。
注目ポイントはこちらです。
ヒーター乾燥(排気タイプ)
- (メリット)低温風乾燥(室温プラス約15℃)なので衣類の痛み・縮みが少ない
- (メリット)乾燥時に冷却水を使わない
- (デメリット)乾燥運転中、湿気を排気するので換気が必要
ヒーター乾燥(水冷・除湿タイプ)
- (デメリット)槽内は約80℃以下なので、衣類の痛み・縮みが起きやすい
- (デメリット)乾燥時に冷却水を使う
- (メリット)排気タイプより高温で乾燥するので乾きが早い
運転時間をとるなら水冷・除湿タイプです。
型名 メーカー | NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|---|
運転時間(洗濯) | 30分 | 44分 |
運転時間(洗濯~乾燥) | 200分 | 170分 |
スペック表を見ても違いが顕著ですね。
NA-VG770は200分なのに対して、ES-S7Gは170分です。その差は30分です!
ただし、水冷・除湿タイプは乾燥運転中にも水を使うというデメリットも存在します。
型名 メーカー | NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|---|
標準使用水量 (洗濯) | 69L | 57L |
標準使用水量 (洗濯~乾燥) | 59L | 80L |
スペック表を見ると、洗濯運転であればNA-VG770は69L、ES-S7Gは57Lです。
しかし、洗濯~乾燥運転になるとNA-VG770は59Lに対して、ES-S7Gは80Lです。
洗濯運転と洗濯~乾燥運転で使用水量が逆転していますね!
洗濯~乾燥までおこなうことを考えると21Lも差が出ています。
この理由は、水冷・除湿タイプは乾燥中に除湿のために冷却水を使うためです。
ただし、排気タイプは湿気を含んだ空気を室内に排気しますので洗面所がジメジメします。
どちらにもメリット・デメリットが存在します。
個人的には同じヒーター式であれば水冷・除湿タイプが好みです。
夏場洗面所がジメジメしませんし、高温でカラッと乾燥を仕上げてくれます!
温水ヒーター搭載はパナソニックNA-VG770
型名 メーカー | NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|---|
温水ヒーター | あり | なし |
NA-VG770は温水ヒーターを搭載しています。
ES-S7Gには温水ヒーターはなしです。
というか、シャープはフラグシップモデルのES-X11Aにも温水ヒーターは搭載されていません。
シャープは他メーカーと異なり力を入れていない機能です。
【参考記事】【2022】シャープドラム式洗濯乾燥機ES-X11Aの新機能とES-V11Aとの比較
温水ヒーターが搭載されているとコースバリエーションが増えます。
がんこなよごれには温水で洗うとキレイなります。
60℃で洗うと除菌までできます。
洗いにこだわりのあるユーザーにはおすすめできる機能ですね。
冬場の水温が下がる季節にも温水機能はおすすめです!
清潔機能でシャープはプラズマクラスター搭載
シャープES-S7Gはお得意の「プラズマクラスター」を搭載しています。
乾燥中に使用されたり、槽クリーンコースでも使われます。
プラズマクラスターイオンを放出して内部のカビ菌の繁殖を抑えます。
また、頻繁に水洗いできない制服やジャケット、水洗いできないブーツなどをプラズマクラスターで除菌・消臭できるコースも搭載されています。
パナソニックNA-VG770は同様の機能である「ナノイー」の搭載はありません。
ナノイーはフラグシップモデルのNA-LX129Bや同Cubleで容量10kg/5kgのNA-VG2700にのみ搭載です。
【参考記事】【2022】NA-LX129BとNA-LX129Aの比較解説【違いはなに】
【参考記事】【違いは何?】パナソニック洗濯機NA-LX129BとNA-LX127B、NA-LX125Bで比較【ポイントは?】
その他|風呂水、扉開放向き、洗濯・乾燥容量、自動投入
- Q風呂水機能はありますか?
- A
NA-VG770、ES-S7Gどちらにも搭載ありません。
【参考記事】ドラム式でふろ水吸い取り機能はいる?いらない?メリットほぼなし、デメリット大の理由
- Q扉の開放向きはどちらですか?
- A
どちらの製品にも左・右の扉タイプがあります。
ただし、ES-S7Gは製品本体は2色展開あり、ピンクゴールドについては左開きのみです。
クリスタルホワイトについては左・右開きがあります。
NA-VG770は本体色はシルバーグレーのみです。
【参考記事】洗濯機のドアタイプ左開き、右開き、それってどっち?を解説【もう迷わない】
- Q洗濯・乾燥容量に違いはありますか?
- A
どちらの製品も同じです。洗濯容量7kg、乾燥容量3.5kgです。
- Q液体洗剤・柔軟剤自動投入機能はありますか?
- A
NA-VG770、ES-S7Gどちらにも搭載ありません。手動で洗剤ケースに投入が必要です。
【参考記事】【2022年】洗剤自動投入機で比較するドラム式洗濯機
デザイン性ではやっぱりパナソニックCubleのNA-VG770
NA-VG770をはじめて見る購入検討者の感想はこれだと思います↓
Cubleかっこいい!洗濯機なのになんておしゃれなんだ!
同意です。間違いなくかっこいいです。洗濯機がインテリア家電になります。
デザイン性で見るならNA-VG770です。これは異論はないかと思われます。
しかし、次にあげる項目がネックであり、最大のデメリットでもあります。
値段なら断然シャープES-S7G
型名 メーカー | NA-VG770 パナソニック | ES-S7G シャープ |
---|---|---|
価格(初値) | 291,933 | 180,066 |
価格(初値)を価格.comで調べてみました。
NA-VG770は29万円に対して、ES-S7Gは18万円!
現時点の最安値(2023.02.17)においては、NA-VG770は20万円、ES-S7Gは12万円です。
価格差がとても大きい。スペックや機能にそんなに差はないにも関わらずです。
ES-S7Gにいたってはたったの12万円です。
はじめてのドラム式洗濯乾燥機としてはとても手が届きやすい値段です。
まとめ|どちらも優れた製品
パナソニックのNA-VG770と、シャープのES-S7Gを徹底比較してみました。
どちらもコンパクトドラムのカテゴリーにあり、他メーカーが参入していないので2社のブルーオーシャン状態です。
世帯1~2人で、はじめてのドラム式洗濯乾燥機向きとしてどちらも素晴らしい商品です。
それではまとめます。
- 大きさに優劣はなし。どちらも幅・奥行60cmのアパート・マンションでも置けるサイズです。
- ES-S7GはDDモーター搭載。なので静音性が高い。賃貸アパートやマンションにも適しています。
- 乾燥方式がNA-VG770は排気式。ES-S7Gは水冷・除湿式。
- 低温乾燥で衣類の痛みが少ない。けど湿気を排出するNA-VG770。
- 高温乾燥でカラッと仕上げてスピード乾燥のES-S7G。だけど、乾燥中も水を使う。
- NA-VG770は温水ヒーター搭載で、コースバリエーションが多彩。
- デザイン性で選ぶなら絶対にNA-VG770。洗濯機がインテリア家電になる。
- 超低価格のES-S7G。1~2人世帯や、はじめてのドラム式洗濯機として手が届きやすい。
どちらもよい製品です。
そして、デザインをとるか、価格をとるか、で完全に選択肢が分かれます。
その2要素の特徴が最大のメリットになっているのがNA-VG770とES-S7Gです。
そんな中、別要素として静音性、乾燥方式、温水ヒーター、清潔機能をあげて特徴を説明させていただきました。
コンパクトドラムを購入検討しているひとのご参考になれば幸いです。では。