シャープの2022年モデル、ドラム式洗濯乾燥機ES-X11AとES-V11Aを解説・分析します。
当記事は次のようなひとに役に立ちます。
2021年モデルES-W114となにが変わった?違いを知りたい
2022年モデルES-X11Aの新機能を知りたい。どんなところがおすすめ?
上位モデルのES-X11Aと廉価モデルのES-V11Aどんな違いがある?どっちがおすすめ?
変化1.メガマウス投入口|ES-X11A、ES-V11A
直径370mmのワイドな「メガマウス投入口」を新たに採用しました。
さらに、段差や継ぎ目を減らしてなめらかな形状にしています。
ドアと本体の一体感、美しい曲線によりデザイン性も向上しています。
ドラム投入口が広くなって、洗濯ものの出し入れをよりスムーズに行えるようになりました。
変化2.洗乾80分コース|ES-X11A
衣類3㎏の洗濯から乾燥までをおよそ80分で仕上げる「洗乾80分コース」を新たに搭載されました。
AIoT機能に対応しているので、洗濯機が、洗濯運転開始時に容量オーバーを検知したり、運転中に衣類の素材や厚さなどから乾きにくいと判断したりすると、本体の音声や「COCORO HOME」アプリから通知し、離れた場所からでも乾燥時間を延長することができます。
洗乾80分コースを運転してみた
実際にES-X11Aで新コースの洗乾80分コースを運転してみました。
最初、運転を開始すると残時間は80分です。
アプリ画面中央部、「乾燥設定」ボタンがあり、乾燥運転の延長ができます。
アプリで「乾燥運転を延長」をオンにしてみると運転時間が40分延長されました。
↑アプリ画面の残り時間は79分であったのに対して、延長後↓アプリ画面では残り時間が118分になっています。
延長方法もシンプルであとから変更しやすいな、と思いました。
コースの容量は3kgまでです。80分で洗い~乾燥まで終わらすとなると容量に限定が入るのは仕方ないです。
トレーナーとかジャージなど綿系衣類をたくさん入れたばあいは、この乾燥運転延長が役に立ちます。
特徴.3つの「自動お掃除機能」|ES-X11A
洗濯すればするほど、洗濯機本体の内部のよごれは蓄積していきます。
乾燥すれば、乾燥フィルターや乾燥ダクトにほこりが溜まります。
洗濯すれば、洗濯槽によごれの残りが残留したり、カビが生えたりします。
そのため、定期的にメンテナンスが必要になります。
かといって、おおくのユーザーにとってそれはめんどうなのでできれば自動化したいです。
シャープは3つの自動お掃除機能が付いています。
3つの自動お掃除
- 乾燥フィルターお掃除・・・毎回の乾燥運転終了後にホコリを集めてくれるので、つまんで捨てるだけでお手入れができます。
- 乾燥ダクト自動お掃除・・・給水のたびに乾燥ダクトのホコリを洗い流すことで、乾燥効率の低下を抑えます。
- 洗濯槽自動お掃除・・・手が届かない洗濯槽の外側などをお掃除してくれる「洗濯槽自動お掃除」を新搭載。すすぎのたびに洗い流すことで清潔に保ちます。
乾燥フィルター自動お掃除はシャープだけ|ES-X11Aのみ
ドラム式洗濯乾燥機を使ってみて乾燥まで運転するユーザーは驚きます。
それは・・・「あれ?1回の運転だけでフィルターのほこりがこんなに溜まるの?」ということです。
誰もが経験します。ですので、基本的には毎日の運転後、乾燥フィルターはお掃除した方がよいです。
といっても、それはめんどうくさい。
シャープは乾燥フィルターに溜まったほこりをルーバーを回転させることでごっそりとかき集めます。
かき集めたほこりは乾燥フィルターケースの横に備えられたダストボックスに溜まります。
ダストボックスにほこりが溜まってきたら、手で取って捨てます。
この乾燥フィルター自動お掃除によって乾燥フィルターのメンテナンス回数は減らすことができます。
変化3.するポイフィルター|ES-X11A、ES-V11A
排水フィルターにネイチャーテクノロジーが採用されました。
水を吸い込み体内でろ過する、マンタの捕食時のエラ構造を応用したようです。
そして、なにがいいの?ということですが、糸くずやゴミが絡みにくい新設計で、細かいゴミも簡単にまとめて除去できます。
シャープのドラム式洗濯乾燥機でネイチャーテクノロジーを採用したのはこれで2つ目になります。
ひまわりの種の配列(フィボナッチ配列)をドア裏に採用したのが1つ目です。
ひまわりの種の配列形状に模したでこぼこの凹凸をガラス扉裏作っています。
そこに洗濯中に衣類がこすれることで洗濯ムラが減ります。
シャープはこの他の家電においてもネイチャーテクノロジーを採用し、アピールしています。おもしろい試みですよね。
変化4.その他変更点
外形寸法|ES-X11A、ES-V11A
幅、奥行き、高さが640mmx727mmx1,155mmから、640mmx739mmx1,155mmに代わっています。
少し太くなりました。
本体重量
ES-X11Aが84kgです。旧モデルであるES-W114は83kgです。1kg増えています。
ES-V11Aは80kgです。旧モデルであるES-WS14は共通の80kgです。
ふろ水ポンプ対応から非対応|ES-V11A
廉価モデルES-V11Aで、ふろ水ポンプが非対応になりました。
旧モデルであるES-WS14はふろ水ポンプ対応(別売)でした。
対応から非対応に変わっています。
ドラム式洗濯乾燥機はそもそも縦型洗濯機と比べて使用水量が少ないのでふろ水ポンプの需要がないです。
ES-X11Aの標準使用水量は75Lです。洗濯容量が11kgですので、11kgの衣類を洗ったとしてもたった75Lで洗濯します。ふろ水は200L程度使うので、その半分も使用しません。
東京都水道局が実施した平成27年度の実態調査結果によると、家庭で一人が1日に使う水の量は、平均219リットルです。
需要がないことに加えて、上位モデルES-X11Aとの差別化で廃止にいたったのでしょう。
ES-X11Aは変わらず対応です。
変化5.本体カラーにブラウン系が追加された
今までシルバー系一本だったシャープのドラム式洗濯乾燥機がブラウン系を追加しました。
厳密には2021年モデルES-WS14はブラウン系でしたが、ドアのカラーがブラウンなだけであって本体カラーは変わらず白でした。
しかし、今年は異なります。
2022年上位モデルであるES-X11Aにブラウン色が追加され、「クリスタルシルバー」と「リッチブラウン」の2色になりました。
本体カラーもリッチブラウンです。
ただし、注意点としてリッチブラウンは左開きのみです。
洗濯機は「白物」家電のカテゴリーですが、最近はダーク色がどんどん増えてきましたね。
東芝のドラム式洗濯乾燥機も「ボルドーブラウン」がありますし、パナソニックのドラム式洗濯乾燥機Cubleは「スモーキーブラック」があります。
シックな色合いもクールでかっこいいです。男性にはとくにひびくのではないでしょうか。
ES-X11AとES-V11Aの比較ポイント
ここでは上位モデルであるES-X11Aと廉価モデルであるES-V11Aの比較を行います。
比較表
項目 | ES-X11A | ES-V11A |
温水極め洗い | 〇 | × |
乾燥フィルター自動お掃除 | 〇 | × |
センサー | 7つ | 5つ |
ふろ水ポンプ | 〇 | × |
乾燥方式 | ハイブリッド乾燥NEXT | ヒートポンプ |
洗乾80分コース | 〇 | × |
温水極め洗い|ES-X11A
温風を槽内に吹き付け、衣類と水の温度を35℃前後にすることで洗剤の効果を高めます。
シャープは洗濯槽にヒーターを備えていて直接、水を加熱する機能はありません。
ですので、温水機能ありといっても他社とは構成が異なります。
温風を槽内に吹き付けて水を温めます。
この機能はES-X11Aのみです。たまにがんこなドロ汚れがついたりした衣類の洗濯には温水機能は役に立ちます。
ただ、温水を使わなくても洗い時間を長くしたりすることで洗浄性能を高める代替案もあります。
乾燥フィルター自動お掃除|ES-X11A
ES-X11Aの特徴でもご紹介いたしました。
この乾燥フィルター自動お掃除は上位モデルのES-X11Aのみです。
この機能はシャープ独自機能です。日々のお手入れの手間の低減や、乾燥性能の維持のためにもよい機能です。
これなしだと、乾燥運転後のホコリ取りは都度必要になります。
手間をすこしでも避けたいひとにはとてもメリットがあります。
センサー個数が異なる
ES-X11Aは7つ。ES-V11Aは5つです。
その内訳はこのようになっています。
センサー7つ|温度、湿度、水位、重量、泡、光、振動
センサー5つ|温度、湿度、水位、重量、振動
泡センサーと、光センサーがありなしで区別されます。
- Q泡センサーと光センサーがあるとどんなメリットがありますか?
- A
洗濯水の泡立ちや、透明度に応じて節水します。
一般的に泡が多い、透明度が低いときは合成粉末洗剤。泡が少ない、透明度が高いときは濃縮液体洗剤が使用されたと判断できます。
濃縮液体洗剤はすすぎ1回対応洗剤ですので、すすぎ2回で運転されたばあいに自動で1回にすすぎ回数が削減されます。
すすぎが削減されるイコール節水になります。
ハイブリッド乾燥NEXT|ES-X11A
ES-X11AとES-V11Aは両方ともにヒートポンプ乾燥です。
ES-X11Aにはヒートポンプ乾燥に加えてサポートヒーターが搭載されています。
ヒートポンプ乾燥は乾燥温度が60℃前後になります。
ヒーター式は80℃前後になりますので、乾燥したときのカラッと感が異なります。
そのヒートポンプの欠点とまでは言いませんが、劣っている部分をサポートヒーターであたたかさをプラスします。温度が高いと衣類乾燥がカラッと仕上がります。
洗乾80分コース|ES-X11A
ES-X11Aの新機能紹介でも記載した洗乾80分コースはES-V11Aには搭載なしです。
80分で洗い~乾燥まで済ますことができるので、ちょっとした普段づかいに役立ちます。
お値段の比較
ES-X11A | ES-V11A |
\339,491 | \321,200 |
値段差は2万円弱。思ったほど差がありませんでした。
まちのでんきやのまとめ
シャープのドラム式洗濯乾燥機ES-X11Aの新機能・特徴と、ES-V11Aとの比較をご紹介しました。
以下にまとめます。
ES-X11Aの新機能・変わったところ
- メガマウス投入口・・・投入口がワイドになり洗濯ものの出し入れがラクになった。
- 洗乾80分コース・・・3kgまでの衣類を素早く洗って乾かせる。アプリ連携で乾燥延長も可能。
- するポイフィルター・・・ひまわりガラスに加えて新たなネイチャーテクノロジーが採用。排水フィルターのごみとりがラクになった。
- 外形寸法で12mm奥行が増えた。本体重量が1kg増えた。
- カラーバリエーション・・・シルバー系だけだったが、新たにブラウン系が追加された。ただし、リッチブラウンは左開きのみなので注意。
ES-X11AとES-V11Aの比較
- 温水極め洗いはES-X11Aのみ。がんこなよごれを洗浄するときに便利。ただし、がんこよごれには洗い時間を伸ばす代替案もある。
- 乾燥フィルター自動お掃除はES-X11Aのみ。この機能はシャープ独自(2022現在)。乾燥フィルターのお手入れ頻度が少なくてもよくなるのでとても便利。
- ES-X11Aはセンサー7つ。ES-V11Aは5つ。泡センサーと光センサーが多い。洗濯水の泡立ちと濁りぐあいで節水するかどうか判断する。
- ES-X11Aはふろ水ポンプあり。ES-V11Aはふろ水ポンプなし。ドラム式洗濯乾燥機はそもそも節水なのでふろ水ポンプによる節水効果は小さい。
- 乾燥方式はどっちもヒートポンプ方式。ES-X11Aはサポートヒーター付きで乾燥仕上がり具合がすこしよくなる。
- 洗乾80分コースはES-X11Aのみ。
買うならどちらがおすすめ?
ES-X11AとES-V11Aの値段差は約2万円。
約2万円の追加費用でシャープのドラム式洗濯乾燥機の機能をフルで使えるならES-X11Aがおすすめであり、おトク。