2022年9月、日立からドラム式洗濯乾燥機BD-STX120Hが発売されました。
当記事は以下3つを解説します。
- BD-STX120Hの新機能は?変わった点は?
- BD-STX110Gからの進化した点は?
- BD-STX120Hのおすすめのところは?
それではいきます。
洗濯容量アップ
BD-STX120Hは、旧モデルBD-STX110Gと同じ筐体サイズです。
ですが、洗濯容量は11kg→12kgにアップしています。
日立は従来、BD-NX***シリーズは12kg。スリムタイプの位置づけであったBD-S***シリーズは11kgでした。
ところが今回はスリムタイプのBD-STX120Hも12kg化し、洗濯の大容量化ニーズに応えました。

スリムタイプが12kg化。となると、NXシリーズは13kgも間近かな?
らくメンテの進化
「乾燥フィルターレス」構造とし、「乾燥ダクト自動おそうじ」「洗濯槽自動おそうじ」「ドアパッキン自動おそうじ」の 3つの自動おそうじ機能でホコリや糸くずを洗い流して、「大容量糸くずフィルター」で捕集し、約1か月でホコリや糸くずをまとめて捨てる「らくメンテ」と称してお手入れの手間を軽減しました。
日立HPより
乾燥フィルターレス

乾燥フィルターがなくなりました。これは業界初です。
ドラム式洗濯乾燥機では乾燥までやったら運転終了後には都度乾燥フィルターについたほこりを取り除く必要があります。
乾燥フィルターが詰まれば詰まるほど、乾燥効率が低下して乾燥時間が伸びたり、生乾き状態で運転が終了することに繋がります。
お手入れが面倒だった乾燥フィルターがなくなることで大幅に手間が減ります。

じゃあ、今まで乾燥フィルターでキャッチしていたほこりや糸くずはどうなるの?

本体下部の[大容量糸くずフィルター]1か所に集約されます。
蛇腹ホースや、乾燥ダクト内部に溜まったほこりや糸くずは洗いやすすぎ中に洗い流されて下部にある大容量糸くずフィルターに捕捉されるしくみです。
大容量糸くずフィルターは約1か月のお手入れでよいです。
ドアパッキン自動おそうじ

ドアパッキン部分はホコリや糸くずが溜まりやすいです。
乾燥運転をすると、洗濯中に残ったホコリや糸くずがパリパリに乾燥して固まります。
最初は気にならないのですが、運転するたびによごれが蓄積されます。
また、この部分はゴム素材なのでペコペコ、ふにゃふにゃしているのでお手入れがむずかしかったりします。タオルで拭いてもやわらかいので、うまく拭ききれないんですよ。
BD-STX120Hは今回、専用流路を設けて、ドアパッキン自動おそうじ機能を搭載しました。
洗いやすすぎ中に流路に給水し、洗い流す仕組みです。お手入れがしやすくなります。
ただし、ドアパッキン下部の流路には、ながれついたホコリや糸くずが溜まります。ここのお手入れは必要になります。
温水ヒーター搭載
温水ヒーターを新たに採用して水温を選んで洗える「温水ナイアガラ洗浄」では、衣類の除菌、黄ばみ除去や消臭、念入りに洗いたい場合など目的に合わせた水温で洗濯することが可能になりました。

あれ?日立は温水ミストコースがあったし、これは新機能ではないのでは?

今までは、温風であてて間接的に温水ミストを作っていました。今回はヒーターで直接温水を作ります。
高濃度洗剤液を高速の温風で温めて洗剤の酵素パワーを引き出します。ミスト状にして吹きつけながら循環させることで、衣類を約40〜50℃にスピーディーに温め、黄ばみを落とし、ニオイも抑えます
日立公式HPより
ヒーターで水を温められるようになったので温水を使ったコースが拡充されました。
BD-STX120H | BD-STX110G |
---|---|
約60℃ 約40℃つけおき 約40℃消臭 約40℃ 約30℃ 約15℃温め自動 | 温水ミスト90分 温水ミスト30分 温め自動 |
約15℃温め自動コースは水温が低くなる寒い季節におすすめです。
水温が下がると洗浄力が落ちますが、15℃に温めてから洗うのでよごれ落ちがよくなります。
以下の表はBD-STX120Hの温水コース一覧と運転時間、電気代です。
温水設定 | 容量の上限 | 運転時間 | 電気代(洗濯時) |
---|---|---|---|
約60℃ | 2kg | 約165分 | 約48円 |
約40℃つけおき | 2kg | 約165分 | 約21円 |
約40℃消臭 | 2kg | 約95分 | 約24円 |
約40℃ | 6kg | 約105分 | 約35円 |
約30℃ | 12kg | 約85分 | 約7円 |
約15℃温め自動 | 12kg | 約60分 | 約15円 |
洗乾時間(6kg)短縮(132⇒98分)
乾燥ユニットのヒーター容量アップに加え、除湿性能を高めるアルミプレートを乾燥ダクトに採用することで、洗濯から乾燥までの時間を従来の約132分から約98分に短縮されました。
ということで、ヒーターの消費電力を確認しました。
BD-STX120Hは1,250W
BD-STX110Gは1,050W
約20%出力がアップしています。消費電力量も確認しました。
BD-STX120Hは約1,570Whで、電気代約50.6円※
BD-STX110Gは約1,590Whで、電気代約51.3円※
出力はアップしましたが、乾燥時間がかなり短縮されたので電気代はむしろ安くなっています。
※【電気代】:電力料金目安単価31円/kWh(税込)。

洗濯乾燥の容量は6kgで旧モデルと共通です。それでいて運転時間34分削減はすごい!
便利機能・構造で使い勝手を向上
アプリ「運転時間からコースを選ぶ」

洗濯物の量を計測したあと、洗濯機が搭載しているそれぞれの運転コースを選んだばあいに必要となる所要時間が一覧で表示される機能がアプリに追加されました。
例えば、こんなシーンで活用されます。
- おでかけまで30分で終わる運転コースがあるのかどうか知りたい
- この洗濯物を洗うばあいにかかるさまざまな運転コースの所要時間を知りたい

これまで使っていなかった、埋もれていた運転コースの発見にもつながりそうですね!
ドアが透明窓
洗濯中の様子が見えるように、ドアに透明窓を採用されました。
運転中に洗濯ものがクルクル回転しているのが見えやすくなりました。
ちゃんと洗えているのかな?なにか異常はないかな?といったことが視覚で確認しやすくなります。
まとめ

BD-STX120Hの新機能をBD-STX110Gと比較しながら解説しました。
もっとも注目したいのは「乾燥フィルターレス」でしょう。
毎回の乾燥フィルターのお手入れを月1回にしたのはかなりの進化です。
今後の品質問題やレビューなどを注視してみていきたいですね。
もしこれが市場で評価され、問題がたいしてないのであれば他社も追従してくる可能性はたかいです。
今年度のドラム式洗濯乾燥機の注目度No.1の機能でしょう。
それではまとめです。
新機能まとめ
- 変更点1 – 洗濯容量が11kg→12kgにアップ。筐体サイズは旧モデルそのまま。
- 変更点2 – らくメンテが進化。乾燥フィルターレス、ドアパッキン自動おそうじが追加されました。ますますメンテナンスの手間が低減。
- 変更点3 – 温水ヒーター搭載。温水15℃~60℃の専用コースが追加されました。旧モデルは温風を吹きかけて温水ミストをつくっていましたが今年から違います。
- 変更点4 – 洗濯乾燥時間が132分→98分に短縮。ヒーター消費電力が1,050W→1,250Wアップと、除湿性能を高めるアルミプレート搭載によるものです。ただ、消費電力量は1,590W→1,570Wで省エネ性能向上。
- 変更点5 – 使い勝手向上。アプリ「運転時間からコースを選ぶ」追加。ドアが透明窓に。
2022年に発売された日立のスリムドラム3機種を比較した記事もあります↓
以上です。それでは。